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by 451books

カッサンドル

d0137603_12582983.jpg1991年に光琳社出版から発行された「カッサンドル」。
既に絶版になって久しい本ですが、451ブックスにやってきました。
ハードカバー、25cm×27,5cm、厚さ3cmの本は、331ページ、カッサンドルの作品や資料で埋まっています。

その中の有名な一枚「ノルマンディー号」。
写真とは違う迫力のあるこの作品は、1935年に発表された、フランスとアメリカを結ぶ旅客航路の初航海を告げるポスターです。

d0137603_1383116.jpg専門学校でCGを教えていた頃、この作品をネタに話しをしたり、作業を行わせていました。
最初は、自分の好きなものをカッコ良く、または、ただ楽しく描くということしか考えれない学生たちに、デザインするということを考えさせるのに、役立たせてもらっていたのです。(どのくらい伝わっていたかはわかりませんが)
このポスター、一見シンメトリーですが、よく見ると、アンシンメトリーな部分が大半なことに気がつきます。そのひとつひとつに意味があります。
この意味を、「何を伝えたいか」「そのためにどう表現しているか」をセットに考えさせてみます。

すると、「船の巨大さを伝える」ために、「舳先の小さい波」や、「前を横切るカモメ」、「船体と字幅を合わせたNORMANDIE」等々や、「船の重量感を伝える」ために、「はためく旗」「真横に風に流される煙」に対比した「垂直性の高い船体」、「ポスターとしての視認性を高める」ために「アイキャッチな船体の窓」等々、項目にすると、まだまだ挙げることが出来るのです。

d0137603_13345646.jpgこの「ノルマンディー号」以外にも、お酒を飲むことで体が染まっていく「デュボ・デュボン・デュボネット」やなど、1923年から1963年頃までの作品が多く紹介されています。
デザインを志す学生や、多くの方に作品をじっくりと眺めて、読んでもらいたい作品集です。

※アンリ・ムーロン著、柴田和雄訳、海野弘さん、柏木博さん、松本瑠樹さんの解説も収録されています。


451ブックスの紹介ページ → 「カッサンドル」(used)
Commented by くり太郎 at 2008-07-06 21:49 x
こんばんは。
ご無沙汰しています。
…懐かしくて、カッサンドルに飛びついてしまいました。
アールデコの代表のように言われる
ノルマンディー号のポスター(グラフィック)の解説、
改めて勉強になります^^。
学生だけでなく、現職もじっくり眺めるべき(笑)。…なんて。
Commented by Pico at 2008-07-07 12:54 x
な、懐かしい。デザイン概論(?だったような)の授業でこの船のポスターの解説を聞いた遠い記憶が…。
その時は「ふ〜ん…。」てな感じでしたが、今になるとそのとき教えてもらったことを後輩に話してる自分がいたりしてびっくりしますねえ。深いなあ。
Commented by 451books at 2008-07-07 18:40
くり太郎さん
カッサンドルのポスター、奥が深いですよね。
改めて見直しても発見があって、楽しい仕事です。
カッサンドルの仕事は旧いようでいて、
今でも新鮮な刺激を与えてくれる気がします。

picoさん
デザイン概論の授業、確かに使われていそうですね。
今では後輩のシゴキ?に使われていると考えると感無量です。
若い子たちにはぜひ、もしくは迷ったときには、
眺めて見て考えて手を動かしてほしいですよね。
Commented by あやりん at 2008-07-12 00:56 x
カッサンドル。昔、東京都庭園美術館で見ましたねー。
あの頃、カタログを買わずに、ポストカード買ってました。
買い損ねたカタログのひとつです。残念。

こちらはちゃんんとした本ですが。素敵ですね。
酔っ払っていく様がよく表現された作品、好きだなー。

そういえば、人間は完全を嫌うそうです。なので、完全な直線の連続に見えるようでも、ほんの少しのゆらぎを入れる と何かの職人さんが言ったの、思い出しました。

そうでした。店長ー!シネクレで「鳥の巣」の建築家ドキュメンタリー上映するそうですよー。8/2から。
Commented by 451books at 2008-07-12 10:29
通称「鳥の巣」は、ヘルツォーク&ド・ムーロン作ですね。
建築の映画(ドキュメンタリー)が、シネクレでときどきかかるので、
そこそこの入りがあるようだったら、嬉しいですね。
行けると良いのですが、1週間だけの上映だと難しいかな。

ヘルツォーク&ド・ムーロンは、スイスの建築家で、
代表作には、ロンドンの「テート・モダン」、
ミュンヘンの「アリアンツ・アレナ」、
東京の「プラダ・ブティック青山店」ですよね。
面白そうです。
by 451books | 2008-07-06 13:44 | アート・デザイン | Comments(5)