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ウォーキングスルー ル・コルビュジエ

d0137603_1933575.jpg専門学校で建築を教えていた頃、テキストを選ぶことも重要な仕事でした。教えるために作られたテキストというのは高校生ぐらいまでしか無いので、良い本があっても、なにか工夫を考えないとただ読むだけの危険ことになってしまうのです。

d0137603_206134.jpg「机の上じゃない、現場で起きているんだ!」というようなセリフ、もちろん建築もそうなので、やっぱり現場に見に行かないと始まりません。
といって、日本だけでなく地球に散在する良い建築を見に廻るには物理的に難しいのも事実です。そこで本やビデオの出番で、巨匠といわれる建築家から、一般の住宅まで美しい写真を掲載されたモノが、今ではたくさん出版されています。

d0137603_20505344.jpg今は絶版になってしまいましたが、ヘンリィ・プラマー著「日本建築における光と影」を教科書に使っていました。安藤忠雄の建築を始め、モノクロームの美しい写真が豊富に掲載された、写真集を見ているような美しい本です。建築が美しいということを知ってもらうこと、それも目的のひとつでしたが、別の使い方があったのです。

d0137603_210932.jpgただ、漫然と見ているだけでは綺麗で終わってしまいがちです。建築をするからには、図面が読めないことには、何も始まらないことに気が付くと思います。そこで、「日本建築における光と影」に紹介されている建築の平面図を入手して、各ページの写真はどこから撮影しているのかを探させたのです。最初はかなり難しいのですが、写真を見るのではなくて読めるようになると、図面と写真がだんだん一致してきます。その中で、空間を図面に表現する方法をつかむことを目的としていたのです。

d0137603_2145564.jpgこの方法を続けていると、写真と図面を見ながら、建物の中を歩くことが出来てきます。実は、建築本の楽しみは、美しい写真を見るだけではなくて、遠く離れた建築の中を今ここにあるように歩くことができることなのです。

d0137603_21233592.jpg今回紹介している本は、「Walking through Le Corbusier(ウォーキングスルー ル・コルビュジエ)」です。この本は、ウォーキングスルーとタイトルに付いているように、コルビュジエの建物の中や外を歩くように作られているのです。ごくごく初期の住宅から、サヴォワ邸、スイス学生会館、ユニテ・ダビタシオン、トゥルーレット修道院等々の美しい写真が掲載されています。そして、建築を歩くためにそれぞれ平面図が添えられ、その平面図には、写真の立ち位置と視線の方向が記入されているのです。

d0137603_21251881.jpg写真と図面を読むことが全てのこの本、説明は全て英語ですが、説明が読めなくても、コルビュジエの建物の中を歩くことのできてきます。
いちど、じっくりと眺めて、写真と図面を読んでもらいたいと思える本、建築の勉強をしたことのない人にこそ、一度体験してもらいたい世界です。


451ブックス商品ページ → ウォーキングスルー ル・コルビュジエ
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by 451books | 2008-02-15 21:42 | 建築・インテリア | Comments(0)