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by 451books

「輝ける鼻のどんぐ」と「ジャンブリーズ」

d0137603_1282043.jpgエドワード・ゴーリーの新作2作は、エドワード・リアの詩にゴーリー流の解釈で挿絵をつけた快作、河出書房新社より柴田元幸さんの訳で出版されました。
「ジャンブリーズ」 は、10人の紳士淑女(4頭身)のナンセンスな旅物語です。ふるいに乗って海に乗り出し(なぜか沈まない)、途中、よくわからないシーンが繰り広げられ、20年後に還ってきます。歌って踊るような楽しい雰囲気ですが、よくわからないのが本当ではないかと。
「輝ける鼻のどんぐ」は、光り輝く大きな付け鼻をつけた男(4頭身)の物語です。
「ジャンブリーズ」 の10人が旅の途中に、どんぐと出会ったことがきっかけで、その1人に恋に落ちたどんぐが、彼女と再会するための怪しい行動が、付け鼻をしての彷徨のになってしまったという重くて暗い雰囲気の、よくわからない(奥が深い)話です。

d0137603_12311260.jpgこの2つの物語が対になっているのは、装丁や判型が同じことからもわかりますが、見返しも舞台となる海岸の風景となっていて、その意味を考えさせてくれます。

d0137603_12333717.jpg扉の絵は、「ジャンブリーズ」 は、4頭身の10人、「輝ける鼻のどんぐ」は、どんぐ1人です。どちらもゴーリーの飼い猫に献辞されていますが、ちょっと変えてあるのは、意味を考えてしまいますね。

d0137603_12364675.jpg上段が「ジャンブリーズ」、下段が「輝ける鼻のどんぐ」です。よく見ると、4頭身の10人がそれぞれ同じふるいに乗っているのがわかって、2つの本がひとつも物語の裏表として作られているのが伺えます。

d0137603_14201033.jpgどの人物がどんぐで、彼女なのかを見ていくと、他の登場人物にも性格や物語があることに気がつきますが、テキストだけでなく、絵を読むことが絵本の楽しみであることをゴーリーは表現しているように、たぶん本人は純粋に楽しむだけだったのかもしれませんが、そんな風にも思えます。
Commented by くるくる at 2008-02-04 19:48 x
柴田元幸先生の、エドワード・リアの詩の「翻訳」の苦労を鑑賞
するのが、最大の楽しみなのだと、思いこみ、「絵を読む」のを
怠ってました・・・はい、読みます、読みますとも。
で、どんぐの彼女って、いったい何者?
Commented by 451books at 2008-02-05 10:57
柴田元幸先生の「翻訳」、今回も凄い!と思わせてくれます。
陽な「ジャンブリーズ」はひらがなで絵本風、陰な「どんぐ」は漢字多様の文語調、リアとゴーリーの意図をくみ取っての翻訳です。
「どんぐ」の彼女、全編、水玉のワンピースを着て、阿波踊りの踊り子のような笠を被って、登場人物の中でただひとり、笠から除く鼻以外、顔を見せていません。
横から少しだけ鼻が見えるのは、何か意図してるのか?他の登場人物もひとりひとり追っていくと、いっそう謎が深まる仕組みです。
by 451books | 2008-02-03 14:28 | 絵本・児童書 | Comments(2)