ナガクテ ナガイ イト(A Long Piece of String)
2011年 05月 20日
オレンジ色のゾウの鼻にロープが絡んでいる表紙。
1963年に出版されたWilliam Wondriska(ウィリアム・ワンドリスカ)の代表作が、復刻版として入荷しました。
そのタイトルは、「A Long Piece of String」。
長い糸という意味ですが、英語と長さのバランスが合わせて「ナガクテ ナガイ イト」としてみました。
カタカナの表記だと、William Wondriskaも喜んでもらえそうです。
ゾウに絡んでいる糸は、絵本の中へ続いていくのですが、カバーをはずしてみると、表紙に絡み合った糸が現れてきます。
カバーの裏が表のざらついた質感とは違い、光沢のある質感になっています。
その表を触ってみると、ゾウのオレンジ色の部分はインクが盛り上がった特殊印刷。
A Long Piece of Stringを触ってみると、活版印刷のように文字の形に凹んでいます。
糸の部分も凹になっています。
見返し部分も糸に溢れていますが、ページをめくるとワニが登場します。
全てのページが、オレンジと糸の黒のみで描かれています。
William Wondriskaは、アメリカ生まれのグラフィック・デザイナー。
1931年に生まれ、イェール大学、シカゴ美術館附属美術大学を卒業後、教鞭もとっています。
グラフィックデザイナーとしても、数々の受賞歴がある。
絵本は、11冊ほど作られているそうですが、ほとんどが入手困難な状況です。
糸は、鳥からお城へつながり、文字のないまま、物語が続きます。
どのページにも、それぞれ違ったオレンジ色が登場し、黒い糸が自在に絡む美しい絵本です。
太陽もつながり、どんなものでも絡んで、最後は何処へ。
451ブックスの紹介ページ → 「A Long Piece of String」
by 451books
| 2011-05-20 20:43
| 絵本・児童書