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by 451books

451BOOKS AWARDS 2011 (絵本大賞)

海の向こうでは、コールデコット賞(アメリカ児童図書館協会が、アメリカで出版された最も優れた絵本に毎年授与している賞)が発表され、坪田譲治文学賞(大人も子どもも共有できる世界を描いたすぐれた文学作品に贈られる賞)の発表も近づいてきました。

そこで、451ブックスも、2010年に日本で出版された大人が楽しむことが出来る最も優れた絵本を10冊勝手に選んで贈る賞として、451BOOKS AWARDS 2011 (大人の絵本大賞)を選んでみました。

1. かべ—鉄のカーテンのむこうに育って
  絵と文 ピーター・シス  訳 福本 友美子 出版社 BL出版

d0137603_137401.jpg 大賞に選んだのは、チェコ出身の絵本作家ピーター・シスの最新作品。英語版が出てから、日本で出版するのは難しい絵本かなと感じていたので、出版の予告を聞いたときには単純に嬉しかった作品です。
 冷戦時代のチェコスロバキアに生まれ、「鉄のカーテン」に閉ざされた夢の奪われたなかで青年時代をすごしたピーター・シスの自伝的絵本。
 モノクロのイラストをベースに、ソ連や体制側を赤色や赤色の星に描いてあります。憧れる自由世界は、カラフルなオールカラー。細かい描き込みの多さとシスの独特のタッチが、彼の描くことへ情熱を伝えてくれる絵本です。
 今、この不安な時代に多くの人に手にとってもらって、感じて考えてほしい絵本です。


2. まくらのせんにん そこのあなたの巻
  絵と文 かがくい ひろし 出版社 佼成出版社

d0137603_1336983.jpg 2009年9月に亡くなったかがくいひろしさんの最後の絵本(2010年1月刊)です。
 かわいいとも不気味ともとれる登場人物?まくらのせんにんを中心に、しきさん、かくさん、いろんなどうぶつが登場する絵本。
 なぜだか、地面に空いた穴に頭がはまって困ってしまっているどうぶつたちを助けることになるのですが・・・。
 なんにも仕掛けのない絵本だけど、読者参加の仕掛けに笑わずにいられない絵本です。
 続刊も予定されていたせんにんシリーズ、続きが読めないのがとても残念でなりません。


3. アデレード—そらとぶカンガルーのおはなし
  絵と文 トミー ウンゲラー 訳 池内 紀 出版社 ほるぷ出版

d0137603_13514047.jpg フランス生まれの絵本作家、イラストレーター、トミー・ウンゲラーの1980年の作品が日本で復刊されました。
 アデレードは、翼をもって生まれたカンガルーの女の子。パリに出て、サーカスで働くようになりますが・・・。
 「すてきな三にんぐみ」でも有名な彼ですが、「アデレード」ではペン画にオレンジと水色で淡く色づけられた画面が美しいイラストが配されています。
 ストーリーも楽しく、誰が読んでも楽しい絵本です。


4. ワニあなぼこほる
  絵と文 石井聖岳 出版社 イースト・プレス

d0137603_1421380.jpg 「ぷかぷか」で451ブックスを虜にした石井聖岳さんの新作絵本です。
 ある日、何もない空き地に穴を掘り始めた一匹のワニ。掘り進める毎に他のワニたちが出現して、ついには重機を持って、巨大な穴を掘って行きます。鉄骨まで運び込まれて横にはおおきな建物まで。ついにおおきな穴が完成して・・・。
 ナンセンス絵本に分類されるお話しですが、ワニの一生懸命さがたまらない絵本。読者を幸せにしてくれる絵本です。


5. 心をビンにとじこめて
  絵と文 オリヴァー・ジェファーズ 訳 三辺 律子 出版社 あすなろ書房

d0137603_14161550.jpg 小さな男の子を主人公にペンギンや星、本などを題材に絵本を作ってきたオリヴァー・ジェファーズ の新作は、女の子のお話です。
 おじいちゃんにたくさんの経験や知識を与えてもらった女の子は、おじいちゃんを亡くしたとき、心をビンに閉じ込めてしまいます。そのまま大きくなった彼女が、失った心をふたたび取り戻す物語。
 オリヴァー・ジェファーズらしい、シンプルながら奥行きのある絵と物語が美しい絵本は、多くの人の大切なものになりそうです。


6.  リンゴちゃんのおきにいり
  絵と文 ベネディクト・ゲチエ 訳 野崎 歓 出版社 クレヨンハウス

d0137603_14315897.jpg  食べることに目がない、うさぎの探偵ラプー、シリーズの3冊目は、虫に食われて大騒ぎなリンゴたちの事件を追います。
 フランスの絵本作家ゲチエの「ラプーたんていのじけんぼ」シリーズ。シンプルな線と鮮やかな色、動物たちの表情がとぼけていて、可笑しい。
 今回もラプーの事件は全く解決しません。でも、アムール(フランスの愛)な物語を楽しませてくれる絵本です。


7. 悪いことをして罰があたった子どもたちの話
  絵 エドワード・ゴーリー 文 ヒレア・ベロック 
  訳 柴田 元幸 出版社 河出書房新社

d0137603_14455442.jpg 451ブックスオススメの絵本作家、エドワード・ゴーリーの死後、出版された絵本です。
 1907年に刊行されたヒレア・ベロックの作品にゴーリーが絵を付けた物語は、「ギャシュリークラムの子どもたち」や「不幸な子供」から繋がる。残酷かつユーモアのある作品です。
 装丁が彼の手によるものでないことが残念ですが、柴田元幸さんの訳と解説が、補ってあまりある絵本になりました。


8. ひみつだから!
  絵と文 ジョン・バーニンガム 訳 福本 友美子 出版社 岩崎書店

d0137603_14523182.jpg イギリスを代表する絵本作家ジョン・バーニンガムの最新作。
 ネコは夜になるとどこに行くのかな?マリー・エレインは、気になってしかたがありません。ある夜、ネコのマルコムの後を付けていくと・・・。
 いまでも変わらないバーニンガムの独特なイラストを楽しめる絵本です。あるページはモノクロで、書き直したような線もそのままに。


9.  いいからいいから(4)
  絵と文 長谷川 義史 出版社 絵本館

d0137603_159628.jpg451ブックスイチオシの長谷川義史さんの 「いいからいいから」シリーズ第四弾。
 今回は忍者がテーマに物語がすすみます。
 おへそをおでこに付けたおじいちゃんとぼく。ふたりが最後に見たものは・・・。
 印籠のようにワンパターンだけど、そこに長谷川ワールドの拡がる楽しい絵本です。


10. ぼくはぼくのえをかくよ
  絵と文 荒井良二 出版社 学習研究社

d0137603_15155315.jpg 白い画面に一本の横線がひかれ、そこから物語が始まります。
 荒井良二さんが絵を描いている横で見ているようなライブ感のある絵本です。
 「たいようオルガン」のように、大人も子供も絵本の世界を旅する気持ちになりそうです。


番外. おおきな木
  絵と文 シェル・シルヴァスタイン 訳 村上春樹 出版社 あすなろ書房

d0137603_1523182.jpg今回、番外として選んだのは「おおきな木」。
 版元が倒産したこともあって、村上春樹の訳で新たに出版されました。
 村上春樹をきっかけに、1976年に翻訳されて34年経っても色あせない絵本の魅力に、気づいた方も多かった絵本です。
 リンゴの木、原題では「Giving Tree」。現代にも通じる無償の愛とは何かを考えさせる絵本です。



以上、10+1作品を選んでみました。
リアル店舗にて、手に取って見ていただけます。
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Commented by EIKO at 2011-01-19 01:40 x
ヤッテマスネー!!いいな!451BOOKS絵本大賞。

私が共鳴するのは第4位「ワニあなぼこをほる。」かな..。

昨年は目をこらして見れば、身近なそこここに遺物がゴロゴロ...。(縄文の遺物も1トントラックに1ぱい程、野ざらしに..)。ビックリして教育委員会に通報しても反応はいまいち迷惑そう...。エー!そんな!ナンセンスなことなの???頭がクラクラ...といったことがありました。

現実てトンデモハップンよ。ステキな良い年にしてください。!!!

Commented by 451books at 2011-01-19 21:21
EIKOさま
「ワニあなぼこをほる」を選ばれるとは。
他の絵本も楽しんでみてくださいね。
縄文の遺物、一体どうして何でしょう。
謎とき、楽しみにしてます。
Commented by EIKO at 2011-01-21 12:35 x
アノネ。縄文貝塚遺跡の敷地の上に建てられた家があって、造成で出た、大量のハイガイや縄文土器片や石器?が混じっている土を放置してあるだけなの...。
そのお家の日本庭園には、縄文貝が散らばっていて、風雅? 端の崖面には縄文地層が...!縄文考古学者にはタマラナイお家があるのよ!岡山には!!


Commented by 451books at 2011-01-22 12:54
EIKOさま
ソウデスカ。
縄文地層、教育委員会はどうしちゃったんでしょう。
大人の都合でしょうか。
縄文考古学者の出番デスネ。
by 451books | 2011-01-16 15:29 | 絵本・児童書 | Comments(4)