古書と洋書と新刊書籍の店


by 451books

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国道53号線(岡山と鳥取を結ぶ主要道)を久しぶりに走ってみると、跨線橋を越える手前に吉野家が出来ていました。何があった場所だったかなと思うと、確か以前はガソリンスタンド。ちょっと残念な気持ちになったのは、密かにそのガソリンスタンドが気に入っていたからです。

d0137603_171868.jpgたぶん、1960年代に出来たコンクリート造の平屋建の建物で、給油所部分がバタフライ形の屋根、シンプルな構成が楽しい建物だったのです。10年ぐらい前に改装されて上屋がついてしまってたのですが、ついに全面的に取り壊されてしまったようでした。
利用されなければ無くなるというのは仕方のないことですが、60年代頃の建物がスクラップアンドビルドされてしまうのは何とも残念です。
※写真はアメリカのガソリンスタンド

d0137603_16572210.jpg今回紹介する本は、古き良きアメリカのガソリンスタンドをテーマにした本です。モータリゼーション発祥の地ということもあって、ロードサイドのガソリンスタンドはアメリカ独自の文化ともいえるのでしょう。ガソリンスタンドの黎明期から現在までが解説されています。

d0137603_172275.jpg典型的なガソリンスタンドのひとつ。高く上げられた給水タンクがらしいです。

d0137603_17359100.jpg飛行機の翼をそのまま屋根に使ったものや、UFOを模したスタンドも。ほとんどベンチューリの「ラスベガスから学ぶこと」のガソリンスタンド版です。

d0137603_1761781.jpg建物だけでなく、当時作られていたノベルティーも紹介されています。

d0137603_1773299.jpgフライトアテンダントのような写真ですが、たぶん、ガソリンスタンドの店員です。華やかなモータリゼーションの時代を思わせます。
写真や資料、イラストも豊富に掲載されてる127ページです。


451ブックス商品ページ → 「Pump and Circumstance(ガソリンスタンドが輝いていた頃)」
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by 451books | 2008-02-23 17:55 | アート・デザイン | Comments(2)
d0137603_20342531.jpgd long life design」にて、451ブックスもお世話になっているナガオカケンメイさんの最新書籍「ナガオカケンメイのやりかた」が出版されました。

「D & DEPARTMENT PROJECT」を作る過程でのブログを再編集して作られた書籍の第2弾です。真っ赤なシンプルな装丁が美しくて、直接的な中身を表していないところが、読んでからわかる仕組みになっているのかもしれません。

0から始めたプロジェクトで、新しく事業を始めたり、人を雇うことの難しさ、そしてモノやサービスに対する姿勢など、ベストセラーなビジネス書より真剣な気持ちにさせられます。

先日、東京からだととてつもなく遠い451ブックスまで、「 drawing and manual(ナガオカケンメイさんの会社)」の営業のKさんが訪れてくれました。儲かるはずもないのに、「d longlife design」を細々と売っている店にまで、足を伸ばして頂いて、とても感激したのです。

「ナガオカケンメイのやりかた」を読むと、そこで働いている方も同じ気持ちを持って行動されているのが良くわかります。
d long life design」に興味を持たれた方に、ぜひ読んでもらいたい1冊です。

451ブックス商品ページ → 「ナガオカケンメイのやりかた」
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by 451books | 2008-02-22 21:12 | アート・デザイン | Comments(2)

猫のパジャマ

d0137603_1365275.jpg451ブックスの店名の由来「華氏451度」の作者、レイ・ブラッドベリの新作短篇集「猫のパジャマ」が発売されています。451ブックスにもやっと到着したので、ご紹介を。

1920年生まれで現役というのも凄いのですが、SF界の吟遊詩人ぶりも今なお健在です。

今回の「猫とパジャマ」は、1940〜50年代頃の未発表原稿と2003〜04年執筆の作品が収録され、50年を超える間があるにもかかわらず、並べられても違和感の無い短篇集になっています。ブラッドベリらしい、訳者(中村融)さんの仕事で読みやすい文章。多くの短編は、SFというより一般小説。男女の関係・人種問題・時間旅行・幽霊・異星人等、軽やかにユーモラスに描かれています。361ページに21編が収録されているので、忙しい僕たちにも、とってもありがたい構成です。

奥付には、ブラッドベリ自筆の猫の絵が掲載されています。また、カバーを広げてみるとそこには猫の顔が出現、なんと耳まで付いています。装丁は佐藤勝昭さん、良い仕事をされています。
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by 451books | 2008-02-21 16:43 | SF・小説・エッセイ | Comments(2)
d0137603_16284367.jpg3月より、CAFE Z(岡山市浜野)にて、「えほん探検きょうしつ」を8回シリーズ+1回で行います。
7月を除いて、毎月第2金曜日19時から、少し長めの1時間半を予定しています。

今回の「えほん探検きょうしつ」は、各回毎に絵本作家を決めて、その方の1冊をもとにいろいろと考え、絵本の成り立ちや読み方、作家について紹介したいと思っています。モーリス・センダック「かいじゅうたちのいるところ」から始めます。
お申し込みは、CAFE Zまで。


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「えほん探検きょうしつ」

講師 451ブックス 根木慶太郎
第1回目 3月14日(金)夜7時からスタート (約1時間半)
 【毎月第2金曜日夜7時】開催 計8回 +1回(おまけ)シリーズ

参加費 1回 1,500円 お茶とブラボーの手作りクッキー付
定員 8名

スケジュール 
 第1回 3月14日 センダックのいるところ
      モーリス・センダック「かいじゅうたちのいるところ」
 第2回 4月11日 ジョン、なみにきをつけて。
      ジョン・バーニンガム「なみにきをつけて、シャーリー」
 第3回 5月 9日 モーにバスをうんてんさせないで
      モー・ウィレムズ「ハトにバスをうんてんさせないで」
 第4回 6月13日 明子のおつかい
      林明子「はじめてのおつかい」

 第5回 8月 8日 優雅に叱責するゴーリー
      エドワード・ゴーリー「優雅に叱責する自転車」
 第6回 9月12日 みえないゲルダ
      ゲルダ・ミューラー「みえないさんぽ」
 第7回10月10日 あたまにうえにスースがいくつ?
      ドクター・スースと仲間たち「あたまのうえにりんごがいくつ?」
 第8回11月14日 不思議の国のロバート
      ロバート・サブタとマシュー・ラインハート「不思議の国のアリス」
 おまけ12月12日 絵本のたのしみ教室「クリスマス編2008」
      新作ポップアップ本を中心に

ご予約・お問い合わせ カフェゼット tel.086-263-8988
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by 451books | 2008-02-20 16:40 | 絵本・児童書 | Comments(2)
d0137603_1933575.jpg専門学校で建築を教えていた頃、テキストを選ぶことも重要な仕事でした。教えるために作られたテキストというのは高校生ぐらいまでしか無いので、良い本があっても、なにか工夫を考えないとただ読むだけの危険ことになってしまうのです。

d0137603_206134.jpg「机の上じゃない、現場で起きているんだ!」というようなセリフ、もちろん建築もそうなので、やっぱり現場に見に行かないと始まりません。
といって、日本だけでなく地球に散在する良い建築を見に廻るには物理的に難しいのも事実です。そこで本やビデオの出番で、巨匠といわれる建築家から、一般の住宅まで美しい写真を掲載されたモノが、今ではたくさん出版されています。

d0137603_20505344.jpg今は絶版になってしまいましたが、ヘンリィ・プラマー著「日本建築における光と影」を教科書に使っていました。安藤忠雄の建築を始め、モノクロームの美しい写真が豊富に掲載された、写真集を見ているような美しい本です。建築が美しいということを知ってもらうこと、それも目的のひとつでしたが、別の使い方があったのです。

d0137603_210932.jpgただ、漫然と見ているだけでは綺麗で終わってしまいがちです。建築をするからには、図面が読めないことには、何も始まらないことに気が付くと思います。そこで、「日本建築における光と影」に紹介されている建築の平面図を入手して、各ページの写真はどこから撮影しているのかを探させたのです。最初はかなり難しいのですが、写真を見るのではなくて読めるようになると、図面と写真がだんだん一致してきます。その中で、空間を図面に表現する方法をつかむことを目的としていたのです。

d0137603_2145564.jpgこの方法を続けていると、写真と図面を見ながら、建物の中を歩くことが出来てきます。実は、建築本の楽しみは、美しい写真を見るだけではなくて、遠く離れた建築の中を今ここにあるように歩くことができることなのです。

d0137603_21233592.jpg今回紹介している本は、「Walking through Le Corbusier(ウォーキングスルー ル・コルビュジエ)」です。この本は、ウォーキングスルーとタイトルに付いているように、コルビュジエの建物の中や外を歩くように作られているのです。ごくごく初期の住宅から、サヴォワ邸、スイス学生会館、ユニテ・ダビタシオン、トゥルーレット修道院等々の美しい写真が掲載されています。そして、建築を歩くためにそれぞれ平面図が添えられ、その平面図には、写真の立ち位置と視線の方向が記入されているのです。

d0137603_21251881.jpg写真と図面を読むことが全てのこの本、説明は全て英語ですが、説明が読めなくても、コルビュジエの建物の中を歩くことのできてきます。
いちど、じっくりと眺めて、写真と図面を読んでもらいたいと思える本、建築の勉強をしたことのない人にこそ、一度体験してもらいたい世界です。


451ブックス商品ページ → ウォーキングスルー ル・コルビュジエ
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by 451books | 2008-02-15 21:42 | 建築・インテリア | Comments(0)
d0137603_11584032.jpgDVDには、リージョナルコードと言って、国地域別に視聴できる地域を限定される仕組みが採用されています。アメリカは「1」、日本は「2」なので、アメリカで買ってきたDVDを普通は見ることが出来ません。VHSではそんなコードがなかったので、言語のことを除けば問題なく視聴出来ていました。10数年ほど前には、アメリカで見かけてまだ日本未発売だった「ウォレスとグルミット」を買って帰ったこともありました。

d0137603_11405230.jpg今回、ブラボーがパリに行くとのことで頼んでいたのが「ロシュフォールの恋人たち」。日本版は久しく廃盤ですが、コレクターズエディションと銘打ってのフランスで再発されていたのです。
このDVDのリージョナルコードは「2」(ヨーロッパと日本は同じ)ですが、再生方式がPAL方式となって、日本やアメリカのNTSC方式と異なりDVDプレーヤーで再生できない場合があります。幸いMacや自宅のDVDプレーヤー(PAL→NTSC変換内蔵機種)ではそのまま再生可能でした。
紙ケースに入れられて、本編(120分)と特典映像(63分)のDVD2枚組です。

d0137603_1457449.jpg特典映像は、「Les Demoiselles ont eu 25 ans(25才になった恋人たち)」。1992年、「ロシュフォールの恋人たち」公開されて25年目に、カトリーヌ・ドヌーブやミッシェル・ルグランが改めてロシュフォールに訪れた記録をまとめたものです。
1時間ほどの間に、制作当時のメイキングや、NGシーンなども収録されています。当時の出演者のインタビューも多く収録されており、映画についての想い出や、今は亡きジャック・ドゥミや、フランソワーズ・ドルレアック(カトリーヌ・ドヌーブの実姉)についても語られています。
ふたりが踊った部屋や、町並みが今でもロシュフォールに存在し、彼らの名前が通りや広場に付けられています。ロシュフォールの町並みがこの映画のために彩られたことや、今もなお多くの人びとに愛されていることがわかります。
もちろん、全編フランス語で、言っていることを理解することはフランス語がわからなければ不可能なのですが、映像を見ているだけでも十分、この映画にかけられた思いを感じることが出来る貴重な映像です。

451ブックス 商品ページ → ロシュフォールの恋人たち
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by 451books | 2008-02-14 15:31 | 写真・映画 | Comments(0)
d0137603_1312286.jpg雨や雪が降ると、大雨だと休むとまで言っているリアル店舗は静かです。
今冬は、岡山南部でも雪をよく見るようになりました。温暖化が止まったわけではないのですが、少し昔の冬を思い出します。一回り前の子年でもあまり雪を見なかったような気がしますし、二回り前くらいは積もってたでしょうか。
子年の縁で、先日フェルト製のネズミをいただきました。子年だからなのですが、色がグレー(黒川風銀鼠?)の地味だけど、ファンキーな一匹です。
451ブックスに貰われてきたので、レミーとジミヘンにかけて、地味井 筆斗本(ジミー・ペンとブックス)と命名しました。

d0137603_13251479.jpg日頃は、上の本棚から落下してきたようにレジの計算機上に転がるように居場所を持つことになりました。
小さい体に、どうやって手や耳を付けているのかと聞いてみると、糊や糸ではなくて、フェルトニードルという引っかけ針のような物で、フェルトの繊維同士をからませて整形されているようです。
作家さん(すみません、お名前を存じ上げません)が精魂込めて作られた、ちゃんと無表情な感じと微妙な非対称さが渋い、451ブックス新顔の地味井です。
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by 451books | 2008-02-09 13:35 | 書店な日々 | Comments(6)
d0137603_13364313.jpgセンダックといえば、「かいじゅうたちのいるところ」と決まってますが、最近の作品もとっても楽しい絵本になっています。
最新作の「MOMMY?」は、マシュー・ラインハート(ロバート・サブダのパートナー)、アーサー・ヨリンクス(コルデコット賞受賞経験者)との共作です。
「MOMMY?」は、「ママー?」という意味ですが、表紙を見てもわかるとおり、「MUMMY(ミイラの意)」にかけています。

d0137603_20543390.jpg最初のページを開くと男の子の赤ん坊が、ママを探しながら、ドアを開いて怪しい建物に入って来ているのがわかります。全編台詞は、この「MOMMY?」のみです。

d0137603_20585195.jpg足下の階段には、顔の付いた本たち。

d0137603_20594960.jpg手首の入った袋。

d0137603_2103873.jpg階段の下をよく見ると縛られた豚が一匹。ページ右の豚の寝仏の生け贄でしょうか?

d0137603_2121718.jpg中央には、不思議な実験装置や、額に入れられたミイラの絵などがあります。不機嫌な顔をした猫もいますね。そして右の豚寝仏を開けると・・・

d0137603_21143111.jpgマッド・サイエンティストが登場します。開くと同時に、額縁のミイラの目が動きます。背景を見ると、暖炉の中から誰かがのぞいています。

d0137603_2119799.jpg次のページは、暖炉から除いていた人物、ドラキュラの部屋に赤ん坊がママを探しに訪れています。

d0137603_21211848.jpgページの右側の小扉には、骸骨が描かれていますが、コウモリのような羽根の骨格が。男の子は興味津々の様子です。

d0137603_2125533.jpg小扉を開けると、ドラキュラに「おしゃぶり」を食べさせている様子。ドラキュラの目が諦めてまが、後ろから誰かが見ています。

d0137603_21295015.jpg次のページはフランケンシュタインの登場です。脅かすようなフランケンシュタインにお構いなく、男の子はママを捜しています。

d0137603_21325536.jpg小扉を開けるとフランケンシュタインは首のねじを外されて、頭を掻いています。

d0137603_21355580.jpg次のページは、MUMMY(ミイラ)の登場です。ページを開けると棺も同時に開く仕組みになっています。小さいミイラは猫?赤ん坊?後ろに人がいますね。

d0137603_22483233.jpg右の小扉を開くとミイラが回転!して、包帯を巻き取られています。横の老人はミイラ復活の高僧でしょうか。

d0137603_2251762.jpg次にページは狼男とゴブリン(小鬼)です。猫の姿も見えますね。

d0137603_2254690.jpg右の小扉では男の子がゴブリンに何かひそひそ?と企んでいるようです。狼男の登場にあわせて月も満月。

d0137603_2310461.jpg狼男のズボンを下げて、Wマークのパンツに喜ぶのは、月とゴブリンと、きっとこの絵本を楽しむ子どもたちですね。

d0137603_23132515.jpg最後のページは全員集合。いちばん賑やかな風景です。

d0137603_231540100.jpg少し陰になっていますが、男の子の赤ん坊も見えます。右の小扉を開くとそこには・・・。

d0137603_23205714.jpg本にあちこちに見られる模様は、この本の背にも使われています。エジプト風ですよね。
背表紙は「おしゃぶり」咥えたドラキュラ。全ての登場人物がちょっと怖いけど、かわいい怪物たち。実はこのPOP-UP、「MUMMY?」版があるのです。


451ブックス商品ページ → MOMMY?
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by 451books | 2008-02-05 23:27 | 絵本・児童書 | Comments(8)
d0137603_1282043.jpgエドワード・ゴーリーの新作2作は、エドワード・リアの詩にゴーリー流の解釈で挿絵をつけた快作、河出書房新社より柴田元幸さんの訳で出版されました。
「ジャンブリーズ」 は、10人の紳士淑女(4頭身)のナンセンスな旅物語です。ふるいに乗って海に乗り出し(なぜか沈まない)、途中、よくわからないシーンが繰り広げられ、20年後に還ってきます。歌って踊るような楽しい雰囲気ですが、よくわからないのが本当ではないかと。
「輝ける鼻のどんぐ」は、光り輝く大きな付け鼻をつけた男(4頭身)の物語です。
「ジャンブリーズ」 の10人が旅の途中に、どんぐと出会ったことがきっかけで、その1人に恋に落ちたどんぐが、彼女と再会するための怪しい行動が、付け鼻をしての彷徨のになってしまったという重くて暗い雰囲気の、よくわからない(奥が深い)話です。

d0137603_12311260.jpgこの2つの物語が対になっているのは、装丁や判型が同じことからもわかりますが、見返しも舞台となる海岸の風景となっていて、その意味を考えさせてくれます。

d0137603_12333717.jpg扉の絵は、「ジャンブリーズ」 は、4頭身の10人、「輝ける鼻のどんぐ」は、どんぐ1人です。どちらもゴーリーの飼い猫に献辞されていますが、ちょっと変えてあるのは、意味を考えてしまいますね。

d0137603_12364675.jpg上段が「ジャンブリーズ」、下段が「輝ける鼻のどんぐ」です。よく見ると、4頭身の10人がそれぞれ同じふるいに乗っているのがわかって、2つの本がひとつも物語の裏表として作られているのが伺えます。

d0137603_14201033.jpgどの人物がどんぐで、彼女なのかを見ていくと、他の登場人物にも性格や物語があることに気がつきますが、テキストだけでなく、絵を読むことが絵本の楽しみであることをゴーリーは表現しているように、たぶん本人は純粋に楽しむだけだったのかもしれませんが、そんな風にも思えます。
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by 451books | 2008-02-03 14:28 | 絵本・児童書 | Comments(2)
d0137603_20441646.jpg本の買取りは、古本屋の命運を左右する、とまで言われます。451ブックスも買取をご依頼いただいて、持ち込んでいただけれる方に日々、とても感謝しています。
ただ、お風呂で読んでヨレてしまった本や、書込のある本、破損の激しい本は買い取りは、やっぱり難しいものです。
写真のように破れてしまった本の買取は、普通の本であればもちろん出来ません。

d0137603_210730.jpgこの本は、1951年に発行された「The Crown Jewels(戴冠用宝玉)」という小さいハードカバー。
A KING OF PENGUIN BOOKシリーズの1冊で、カバー付き、活版印刷(一部カラー刷)という今ではなかなか作ることの難しい印刷技術が使われています。

d0137603_216574.jpg文字の部分を拡大してみると、凹んでいるのがわかります。また、空白部分には裏の文字が凹凸と共に透けて見えたりもします。この本は前半テキスト、後半イラストという仕組みにして印刷方法も紙質も分けられて作られています。

d0137603_211272.jpg


「The Crown Jewels」は、ロンドン塔に展示保管されているイギリス王室の王冠や、宝珠、宝剣のコレクションの名称です。
こういうものは、今では写真で紹介されることが殆どですが、この本では精緻なイラストが丹念に描かれていて、1951年当時の時代を感じさせると共に、やはり人の手を感じさててくれます。
当時の印刷技術の都合でカラー図版の色数は限定されていますが、限定された中にこそ、物の本質を見極めた技術を感じるような気がする一冊です。
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by 451books | 2008-02-01 21:25 | 古書・古本・買取り | Comments(0)