ルイス・カーン、アン・ティン、マイ・アーキテクト
2008年 01月 19日
先日、「大人が泣ける洋画ランキング」を行っているテレビ番組を見ましたが、1位は「タイタニック」でした。「ドリームガールズ」がランキングに入っていないのが確かに残念。
「マイ・アーキテクト」も入っていませんでしたが、建築好きなら間違いなく1位ではないかと思っています。
映画は、巨匠と呼ばれた建築家の「父」と、30年近く経ってその姿を見つめる「息子」のドキュメンタリーです。かっこ付きなのは各々に事情があるからです。
映画の最後に子供たち4人が、カーンの設計した住宅「ノーマン・フィッシャー邸」にて語り合うシーンが映画的にはもっとも感動するシーンとして締められているように思いますが、カーンが設計した「アメリカ吹奏楽団のための船」の船長兼指揮者のロバート・ブードローに「息子」出会うシーンがもっとも印象的でした。
ルイス・カーンの建築や、その建築を愛する人たちや思い、カーン自身を見ることの出来る映画です。
写真は、「Louis Kahn to Anne Tyng(ルイス・カーンからアン・ティンへの手紙)」洋書ハードカバー。
建築においてもパートナーであったアン・ティンが、ローマに滞在していた1953年から1954年の間、ルイス・カーンが彼女に宛てた手紙の記録です。彼女自身の生い立ちや、カーンとの建築プロジェクトに関する多くの記述、絵や図面が掲載されています。
アンが映画の中でも憂いていた「トレントン・バス・ハウス」(二人での最初の仕事です)。この本の中でも在りし日の写真や、図面が紹介されています。映画で紹介されている状況と比較すると、平面的にも変更されているようですし、本来のオープンなイメージを画面では全く感じなかったので、なぜ彼女が憂いていたのか少しわかる気がします。
本には、手紙そのものも一部紹介されています。カーンが簡単に図面を書いて、彼女に説明をしています。写真は計画中の住宅で、24feet(約7.3m)×24feetの矩形を基本に展開し、煉瓦と木を組み合わせて、宅地内の植樹との調和を図ることを読み取ることが出来ます。平面での×マークは樹木です。
この写真は、アン・ティンがハーバード大学(建築専攻)に在学中、近くのチャールズ川にて撮影されています。彼女の誕生から現在までの半生が紹介されていますが、彼女が在学中にデザインしたなかなか興味深い椅子の写真や、家族写真もあります。その他、カーンの生涯も写真で紹介されており、若い頃(1928年頃9のパスポートの写真なども見ることが出来、「マイ・アーキテクト」でのエピソードを思い出させてくれます。
事務所で働く姿の二人の写真も幾つかあり、当時のカーンの事務所の様子や働く様子がうかがえます。彼女が現場で指示を出しているような写真もありました。
基本的には、カーンが、彼女に出した私信なので、なかなか読みづらい部分も多いのですが、(もちろん英語です)手紙そのままの画像だけでなく、テキストに全文直して掲載してあるので、カーンの描いたスケッチを見ながら読み進めていくことが出来ますが、写真のように、With lots and lots of love Lou XXXXXXXXのように書かれていたりします。
本の最後に載せられているカーンとアンの肖像画は、カーンの手によるスケッチ(片方は自画像ですね)です。上手なことはもちろん、建築家が手を動かすことを日常的に行い、大事に思っていたことも、そしてカーンとアンが建築をこよなく愛していたことが、よくわかる1冊です。
451ブックス商品ページ → ルイス・カーンからアン・ティンへの手紙
「マイ・アーキテクト」も入っていませんでしたが、建築好きなら間違いなく1位ではないかと思っています。
映画は、巨匠と呼ばれた建築家の「父」と、30年近く経ってその姿を見つめる「息子」のドキュメンタリーです。かっこ付きなのは各々に事情があるからです。
映画の最後に子供たち4人が、カーンの設計した住宅「ノーマン・フィッシャー邸」にて語り合うシーンが映画的にはもっとも感動するシーンとして締められているように思いますが、カーンが設計した「アメリカ吹奏楽団のための船」の船長兼指揮者のロバート・ブードローに「息子」出会うシーンがもっとも印象的でした。
ルイス・カーンの建築や、その建築を愛する人たちや思い、カーン自身を見ることの出来る映画です。
写真は、「Louis Kahn to Anne Tyng(ルイス・カーンからアン・ティンへの手紙)」洋書ハードカバー。
建築においてもパートナーであったアン・ティンが、ローマに滞在していた1953年から1954年の間、ルイス・カーンが彼女に宛てた手紙の記録です。彼女自身の生い立ちや、カーンとの建築プロジェクトに関する多くの記述、絵や図面が掲載されています。
アンが映画の中でも憂いていた「トレントン・バス・ハウス」(二人での最初の仕事です)。この本の中でも在りし日の写真や、図面が紹介されています。映画で紹介されている状況と比較すると、平面的にも変更されているようですし、本来のオープンなイメージを画面では全く感じなかったので、なぜ彼女が憂いていたのか少しわかる気がします。
本には、手紙そのものも一部紹介されています。カーンが簡単に図面を書いて、彼女に説明をしています。写真は計画中の住宅で、24feet(約7.3m)×24feetの矩形を基本に展開し、煉瓦と木を組み合わせて、宅地内の植樹との調和を図ることを読み取ることが出来ます。平面での×マークは樹木です。
この写真は、アン・ティンがハーバード大学(建築専攻)に在学中、近くのチャールズ川にて撮影されています。彼女の誕生から現在までの半生が紹介されていますが、彼女が在学中にデザインしたなかなか興味深い椅子の写真や、家族写真もあります。その他、カーンの生涯も写真で紹介されており、若い頃(1928年頃9のパスポートの写真なども見ることが出来、「マイ・アーキテクト」でのエピソードを思い出させてくれます。
事務所で働く姿の二人の写真も幾つかあり、当時のカーンの事務所の様子や働く様子がうかがえます。彼女が現場で指示を出しているような写真もありました。
基本的には、カーンが、彼女に出した私信なので、なかなか読みづらい部分も多いのですが、(もちろん英語です)手紙そのままの画像だけでなく、テキストに全文直して掲載してあるので、カーンの描いたスケッチを見ながら読み進めていくことが出来ますが、写真のように、With lots and lots of love Lou XXXXXXXXのように書かれていたりします。
本の最後に載せられているカーンとアンの肖像画は、カーンの手によるスケッチ(片方は自画像ですね)です。上手なことはもちろん、建築家が手を動かすことを日常的に行い、大事に思っていたことも、そしてカーンとアンが建築をこよなく愛していたことが、よくわかる1冊です。
451ブックス商品ページ → ルイス・カーンからアン・ティンへの手紙
by 451books
| 2008-01-19 16:44
| 建築・インテリア