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by 451books

安藤忠雄とザハ・ハディッド(新国立競技場)

テレビや新聞、ネットニュースなど、マスコミでトップニュースのように取り上げられ、SNSなどで頻繁に拡散されている最近の話題。
明日(2015年7月16日)には、安藤忠雄の記者会見が行われる。

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写真で紹介している本は、安藤忠雄の「家 1969→96」、インタビュー集「ザハ・ハディッドは語る」、作品集「ZAHA HADID」。

建設費が3000億円にも膨張し、税金の無駄、今後の維持費にも大きな疑問が浮かび、2人に責任追及が始まっている。
もちろん、コンペの実施における不正が2人の主謀よって行われたのであれば当然かもしれない。
しかし、今回の公共設計競技(コンペ)の結果と、その後の経緯の責任が2人によるものとするのは、あまりにも稚拙な推理(責任追及)と思う。

また、建築家として実績もあり、彼らでなければ作ることの出来なかった建築があることを、まったく無視した報道や推理をとても残念に思う。
デザインや仕組みを考える人間や思いを軽視することは、僕にとっては認めがたい。

巨大で豪勢な建物を求めたのは、募集要項を作った人間(組織)であって、今回の巨大な予算はその組織が負うべきもののはず。
東京都民の大多数が支持した東京オリンピックの是非の問題であるし、今のSNSなどの意見からすれば、収容人数も、機能も、敷地も、競技場の新規建設自体も間違っている。
2016年の東京誘致の際(決まったのはリオデジャネイロ)には、工費を下げる工夫も少しはあったはずなのに、ここまで費用のかかる計画になったのはなぜなのか。
2人の責任にするのが簡単なのかもしないが、違うと思う。

安藤忠雄には、すい臓、脾臓がありません(全摘)。それが意味することから残りの時間、彼に建築に専念する時間をより多く与えて上げたいと僕は思う。
by 451books | 2015-07-15 20:35 | 書店な日々