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by 451books

いってらっしゃーい、いってきまーす

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1983年の「こどものとも」として出版されていた神沢利子さんと林明子さんの絵本「いってらっしゃーい いってきまーす」が復刊されました。
長らく絶版になっていたのが不思議ですが、林明子さんの傑作絵本のひとつです。

はっきりと描かれた輪郭線と、カラフルな色が特徴ですが、当時としては少し進歩的な家庭を描いた絵本です。



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主人公のなおちゃんは、お父さんといっしょに自転車に乗って保育園にいきます。
どうやら絵描きのお父さんが家事を、お母さんが働きに出ているようで、保育園のお迎えはお母さんの役目です。
そのなおちゃんとなおちゃんの住む街、人々の一日を、林明子さんの丁寧な視線とタッチで描いています。



いってらっしゃーい、いってきまーす_d0137603_1443492.jpg普通に文字を読むと、この絵本は、なおちゃんの一日の物語です。
ところが、絵をじっくりと読んでいくと、色んなところに、色んな物語が隠されています。
写真は、信号のボタンを押すことができて満悦なおちゃんとおかあさんですが、道路の向こうの方にはネコが1匹。後ろの木の上には青い鳥が1羽、留まっています。
表紙にも青い鳥とネコは描かれていて、絵本全体が青い鳥とネコの一日の物語になっています。
ほかにもまだまだ、絵を読んでいくと物語や仕掛け、謎まであって、絵を読むことの楽しさを教えてくれる、林明子さんの絵本です。


 451ブックスの紹介ページ → 「いってらっしゃーい いってきまーす
by 451books | 2011-05-01 15:16 | 絵本・児童書